エントリールールの「ワークド例」とは?
エントリールール:その考え方
エントリールールとは、いつトレードをエントリーするかを示す、事前に定めた条件です。通常、次のような内容を指定します:
- トリガー(エントリーするために何が成立していなければならないか)
- エントリー価格(参照価格に対して、執行をどう解釈するか)
- 関連する事前設定パラメータ(たとえば、どこで退出するか)
- サイズやリスクを計算するために用いる前提
ワークド例が役立つのは、前提を明確にし、安定したメカニクス(ルールがどう機能するか)と、変動する条件(市場がどう執行するか)を分けられるからです。
前提を明示したワークド例
仮に、トレーダーが次の簡略化したエントリールールを、仮想のポジションに適用するとします。
エントリールール(トリガー): 市場の参照価格が 100.00 に到達する、またはそれ以上になったらロングでエントリーする。
執行の前提: 取引は エントリー価格 = 100.00 で執行され、スリッページはゼロとする。
リスク管理の前提: トレーダーはストップを 99.50 に事前設定する。
利確の前提: トレーダーはテイクプロフィットを 101.00 に事前設定する。
コストモデル: 手数料とファイナンス/ロールオーバーは無視する。スプレッドなし、手数料なしとする。
ポジションサイジングのルール: 1回のトレードあたり、固定額の資金をリスクにする。
では設定します:
- 1回のトレードでの口座リスク: 1,000.00 の口座の 2.00% = 20.00。
- ストップ距離(価格): 100.00 − 99.50 = 0.50。
この例を、銘柄固有の契約計算を導入せずに完全に数値化するため、抽象的な換算を定義します:
- 選択したポジションサイズにおいて、1.00 の価格変動あたりの P/L = 40.00 通貨単位。
すると:
- 価格が 100.00 から 99.50 に動く場合、変動は −0.50 なので、損失 = 0.50 × 40.00 = 20.00。
これはリスク予算(20.00)と一致するため、抽象的な換算から導かれるポジションサイズは、エントリールールと整合しています。
ルールに基づく結果の計算:
- もしテイクプロフィットが 101.00 で到達したなら、エントリーからの変動は +1.00 なので、利益 = 1.00 × 40.00 = 40.00。
- したがって、ワークド例の比率は +40.00 : −20.00 であり、テイクプロフィットの利益はストップロスの2倍です。
これは、市場がどの経路をたどるかを約束するものではありません。特定の価格水準が到達した場合に、ルールが結果をどう計算するかを示しているだけです。
実際にはどう機能するか:メカニクスと変動性
この例を解釈する実務的な方法は次のとおりです:
- メカニクス(安定): トリガー条件、選択した参照水準(ストップとテイクプロフィット)、そしてポジションサイジングの計算が、仮定された価格で執行された場合の、計画されたリスクと計画されたリワードを決めます。
- 変動性(変化): 執行は、前提どおりに一致することはほとんどありません。トリガーをチャートの参照で定義していても、実際の約定は、スプレッド、スリッページ、部分約定、そしてプロバイダーの価格フィードとあなたのチャートの間の差によって異なり得ます。
もう1つの失敗パターンは ルールの解釈 です。たとえば、「100.00 に到達」が、足の中でのタッチ(intrabar touch)として扱われるのか、それとも 100.00 を上回ってクローズすることとして扱われるのかで、同じチャートでもエントリーが変わり得ます。だからこそ「ワークド例」が価値を持ちます。ルールがティック、足のクローズ、または別の参照で評価されるのかを明確にできるからです。
確認できなければならない限界とリスク
少なくとも、次の限界はどのエントリールールの例にも当てはまります:
- 執行の不確実性: 「スリッページゼロで、100.00 でエントリーが執行される」という前提は、しばしば成り立ちません。実現する損益は、計画した値と異なり得ます。
- トリガーの曖昧さ: 「到達」の定義と、時間基準(足の中 vs. クローズ)は、ルールが発火するタイミングを変えます。
- コストの省略: 手数料、ファイナンス、取引コストを無視すると、リスクとリワードが実質的に変わり得ます。
独立して確認できる検証質問は次のとおりです:
- トリガーを定義する正確な価格系列は何か(あなたのプラットフォームのクオートか、チャートの参照か)?
- エントリーはどの時点で評価されるか(ティック、足のクローズ、または別のイベントか)?
- コストや執行の差を、たとえ概算でもモデル化しているか?
必要なら、同じエントリートリガーでも、執行とトリガー定義が異なる2つの代替ワークドシナリオを比較して、前提に対する感度がどれほどかを確認することもできます。
DOCUMENT END